王国軍の船団には、敵の司令官...王弟が乗っている。そんな獲物を、みすみす逃しては、元首殿に顔向け出来まい。[ 形としては、その元首の命を無視して手柄を追っているように見えると承知で、そう言い放つ。 ][ 燃える旗艦を置き土産のように桟橋へ向けて流した上で、北へ進路を変えた船団の一隻が王家の旗を掲げるのが見えれば、男は緩く口の端を上げた。 ]