人狼物語−薔薇の下国

497 堕天の服従試験


邪眼の怪物 クレメンス


 それは私が決めることだ。
 君が得られる決はない。

 ああ―――、いや。
 君が哀願するなら一考しよう、……覚えておきたまえ。

[彼の拒絶を一蹴する傲慢。
 地上で見せた柔和は形ばかり、見目ばかり。
 最初から彼を謀っていたのだと、地の底まで攫った男は最早悪俗を隠さない。

 しかし、そっと耳孔に忍び込んだのは、彼の不意なる発露。
 稚く、されど善悪を語るものでなく、まして、悪辣を詰るものでも無い。

 ふ、と思わず膨らむ咽喉。
 堪った笑気を吐き損ね、彼の掌中に甘い笑みがぶつかった。]

(34) 2018/03/21(Wed) 00:36:26

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