[蝋燭を掴んで書斎へ向かう途中、人間を見かけた。ひどく怯えた表情で「助けてください」と訴えられる。] 貴様がこの城から出る方法を知っているというなら取り引きに応じてもいい。 そうでなければ、今のおれが貴様にしてやれることは、「何もしない」ということに尽きる。[正確には、その必要がないゆえに牙を剥くことをしないだけである。追い払うように手を振った。]