―西の砂浜―
[強い風の吹く中、浜辺へ到着し、状況を確認。
まずは海の様子。
見るまでもなかったが、目を覆いたくなるほどの大荒れだ。
大陸で使われている大型船ならまだしも、自分のボートで沖に出るのは死ににいくようなものだ。
この風が止むまでは島から出るのは不可能と思ったほうがいいだろう。
次にボート。
昨日しっかりと陸に固定した留め具は、見事にその姿を保っていた。
特に目立った傷なども見受けられない。
嵐に揉まれた美味い魚を届けるという約束は、近いうちに果たせそうだ。
最後に小屋。
小屋の中には風が吹き込み、床は水や砂や木の葉などが多量に散乱してしまったが、幸いにも小屋自体は無事だった。
この程度の雨風を凌ぐには問題ないだろう。
思ったより被害は少ないことを確認した。
……さて、これからどこへ行こうか、と、思案。]