[兎が二羽増える前、朝日は未だ眠りから覚めぬ頃合いにローゼンハイムの小屋を出た。朝露というにはたっぷりの水を湛えた葉たちを愛でる。洞穴は遠いから、野菜たちの様子を見ることは諦めた。久々に見た顔を、幾つか数えた。寝台に誰彼かまわず引き込む癖があるローにまんまと捕まったルートヴィヒ。青兎のように、逆に組み敷く、くらいの反撃があの白兎に出来るだろうか] 無理、だろうね あの白兎じゃあ[雫に耐えきれなくなった葉が、うなずくようにその頭を垂れた]