-回想・星の夢の中-
[ふわりと浮いた体に思い出される光景が一つ。
「虹色のうずまき管」
その一節をオクタヴィアスの力を借りて訳していた時、ふと思い出した言葉を口にした]
月が綺麗ですね。
[ただの興味本位だった。
その真意にオクタヴィアスが気づくかどうか、試しただけだった。
そう試しただけ―のはずだった]
知っているかい?
この意味。
[知らなかった好きな女にでも使うといいと言っただろう。
知っていたら――どうやってこの気持ちをごまかそうか胸がざわめいた。
思い出したくてもその時のオクタヴィアスの顔が思い出せず、闇が男を全て包んだ**]