[その後診療所にあったファイルを1から7まで全て見つけ出し、
遣い込んだ鞄に積み込んで、草深い帰路を辿る。
その途上、不意の質問には表情を翳らせ空に目を滑らせた。>>4:188]
さあ。あのじゃじゃ馬、今頃どこにいるのやら。
……帰ってくるのを待っていたんだけどな。
[勝ち気な妹は彼に揶揄られる度、真っ赤に憤慨して、
カー君なんて嫌いと、捨て台詞を吐いては逃げていた。
その癖、翌日になるとけろりとして遊びについてくるのだから、
兄としては疑問が絶えず、首を傾げたものだ。
苦笑混じりに濁して、背負いなおした鞄で横顔を隠した。
諦念に向かうはずの空虚は依存に姿を変え、今もふとした拍子に影を追う。
宿泊所が見えてその時は話が打止めになったか。]