ウェルシュ殿…?!
[ ここに残る、と、そう口にした青年に>>17男は目を剥いた。双子星を沈め、その様を彼に見せたことで、ウェルシュを同行させた意味は果たせたと、男自身は思っていたからだ。
我が子と呼ぶ船が味方の手で沈められる、そんな戦の習いを、ウェルシュが彼なりに受け止めてくれたならそれでいい。あの時、ヴァイスメーヴェの修理と整備をと>>2:548依頼というより命令に近い指示をした男に何も言わず最善を尽くす姿を見せたウェルシュならば、戦の後のウルケルの行き先を託す事も出来るだろうと…
だが、その為には、彼を無事にストンプへ返すことは必須事項だ。そもそも… ]
ウェルシュ殿、貴方は、俺に、提督にぶん殴られろと言いたいんですか?
[ ゲオルグに殴られた、という、覚えは、そう数多くない。せいぜいが酒場で男が歌い出し、どうしても止められなかった時に、乱闘状態の中で喰らったとか、その程度の事だ。
だが、本気には程遠い筈のその拳ですら、酔って半ば記憶の飛んだ男の記憶にしっかりと残るほど、重く強い衝撃を与えるもので、ぶっちゃければ、一撃で男は床に沈められてしまったのだ ]