― 王都陥落から半月ほど後:王城にて ―[魔軍に身を置いてから、半月。その間は、環境へ慣れる事と、自身の力を律する事、その二つに集中する事が多かった。それと共に、出自を知る者に今の在り方を示すため、動ける時には前に立つ事も辞さなかったが] ……ん。[そんな以前とは変化した日常の中、不意に感じた気配に足を止めた。振り返った先には、微かに透けた身体を持つ男の姿。>>30]