― 昨夜のこと ―[桃色酢豚の味を必死に上書きしてから片付けをするルートヴィヒを手伝った。沢山出た野菜屑はスープにしてしまおう、と袋にまとめた。いつの間にやら睡魔に襲われた兎が一羽、二羽。広い部屋で、誰かのいる場所で眠る気にはなれなかったから壁に凭れたまま、嵐のざわめきが小さくなっていくのをじっと聞いていた]