[逃げ遅れた者を見つけては、赤く波打つ剣を躊躇いの無い軌道で薙ぎ、その首を狩っていく。
男の持つ剣はファミルが持つような重量物ではない。
それ故に《ウル》を服用した場合は、速度を乗せた切れ味を持つ剣閃となり、神速の剣とも呼ばれるものとなる。
加えて、どこを斬れば何を絶てるかを熟知するために、必殺の剣にもなり得るものとなっていた]
陛下は?
前か、城壁すら壊しそうだな。
[部下に問いながら、ファミルがいる方へと視線を向ける。
皇帝自らが陽動として立つ作戦は、相手の裏をかくには持ってこいだろう。
これはファミルが護られるだけではない皇帝だからこそ成り立つものでもある]