[ 自分の名前を憶えててくれたことに驚きながらも敬礼が維持できず首が上下に動いてしまう。
しかし、同時にここが指令室前だった事を思い出した。]
め、メアリー中尉殿
じ、自分は、一度荷物を解く作業がありますのでそろそろ
[ ちらっと指令室の扉を見ただろうか、たぶん彼女にも伝わった気がする。
彼女は無理に引き留めようとすることなくカシムを解放してくれただろう。 ]
それでは失礼するであります
[ 敬礼で感謝を示しつつ彼女とは別れ、与えられた自室へと歩を進めた。
カシムは終始緊張しっぱなしであったが話し掛けてくれたメアリーに対しては綺麗で優しそうな上官だという好感を覚えた。
また、会うことがあったらもう少し緊張せずに喋れるだろうか? ]