― 子ども時代のわたしとオットー ―
[幼い頃のわたしと来たら、遊び場は森・山・川・丘でしたし、昆虫のうねうねした類いにも平気でさわったものです。
むしろ、それらを掴んで大人の顔の前に突き出して、ぎょっとする様子に腹を抱えて笑っておりました。
ですが、だんだんと恥じらいを覚え、口数はやや減りました。
それでも、冗談を言われれば笑いますし、他者からあえて遠ざかることはありません。
オットーほど変わってはおりません。
オットーと歩幅がそろわなくなったのは、いつからでしょうか。
肩を並べてはしゃぎあうことは無くなり、会話をしなくなった年月が増えていくばかりになりました。
パンを買いにいく時に見かけるだけ、村の中ですれちがうだけ。
年を経るとは、そういうことなのでしょうか。
何か言ってやりたいけれど、誰に、何を言うつもり?
もやもやした思いを抱えながら、あといくつか寝て起きれば、わたしも齢18を迎えます。*]