―2日目・AM9:30・第五訓練場―
…変な感じ…です。
[口に広がるねっとりとした独特な感覚。
久しく感じなかった“甘み”がそこあった。
彼>>31の魔力がそうなのか、酷く甘ったるく蕩ける様な錯覚を覚える…もっと感じてたいと思えてしまう位にどうしようもない感情を自覚させていく。
気づきたくない、知られたくないと片手で口元を隠しながら感想を述べた。
そうしなければ彼の指に舌を這わせていたかもしれないからだ。]
感じさせる手段として、ご自分の魔力を相手に食べさせるとか常人ではなかなか思いつきませんよ。
…そういうことは他の方にもしてるのでしょうね、きっと。
[この感情は絶対に知られてはいけないと、既に手遅れなことも気づかないまま普段通りを演じようと一呼吸置いた。
彼の噂は嫌というほど聞いてきた、その中で浮ついた話などは一切ないことも知っていた。
無いということは“そういう事”なのだろう。
そう勝手に己で決めつけつつも、やはり相手の反応が気になってしまっていた。
僅かばかりの期待を抱いてしまう愚かな感情を…許してほしい]