[そうこうしている間に、二つの影は声の届く距離まで接近する。
警戒の素振りもなく、下馬と共に告げられる彼の名>>22]
――ええ、如何にも。
[丁寧な名乗りを受けたからか、自然こちらも姿勢を正す形となる。
その名や従者を臣下と表現する様から、高貴な者であることは窺えたが、出自を正確に把握するだけの知識はなかった]
私は翡翠の巫女。リュークリンデ・ヤード・グレース。
ここにおいては、同じく神魔様の試練を受ける者です。
[こちらからも巫女としての名を名乗りつつ、杖の構えは解いて一礼した。
傍らにて黙礼する臣下だという男性>>23へも、視線を向けつつ*]