[ フェリクスに呼び止められたのは、完全に透明になる一歩手前>>20足を止め、振り返りはしたが、すでにその姿は彼の目には映らなかっただろう。ただ、ふわりと宙に浮く光る羽が、差し出されたラピスラズリに近付き、その夜空の如き紺碧の鉱石の表面に星屑のような煌めきを浮かび上がらせる ]それは、声無き天使が、あなたのために流した涙。私には受け取れない。[ やがて静かな声だけが響いて、光る羽はふわふわと離れていった** ]