― 拠点前 ―
残らず散ったな。
[ 七星剣を手に空を睨んでいた玄武神は、妖魔の気配が散り果てると、剣を下ろす。
同時に、空を駆けた白蛇は溶けるように姿を崩して漂う霧と代わり、やがては風に流れて消えた ]
すでに日暮れ、仙花の気配も追えまい。
[ カスパルに急ぎ帰還を促したのは、魑魅の他に仙花を狙う妖魔が現れる可能性を懸念してのことだったが、どうやらその様子もない。
おそらく魑魅の群れは、純粋に天の気に引き寄せられただけのものだったのだろう ]
陽が戻れば、仙花も陽光を求めて動き出そう。探索の見当もおよそついた。
暫し、皆も休め。
[ 夜が明ければ、東の森を中心に探索をすることになる筈だ** ]