― 天空城・前庭 ―[竜の背に乗った勇者一行と前後して、魔王もまた城の前庭と思しき場所へと降り立った] ――やれ、この我輩が城を攻略する立場となるとはのう。[背の羽を霧散させながら、長らく城の最深に座して来た魔王は零す。 城といってもおどろおどろしい魔王城と違い、こちらは神殿めいた造りをしていた。 花壇に咲き乱れる花は魔王の知識にすらないもので、状況さえ違えば物珍しさに気を惹かれることもあっただろう][しかし、敵意孕む冷たい声>>14に、魔王の意識はそちらへと向けられる]