[宰相が領主を討つという変事より15年の月日が流れ、その彼がやってきた。だが誰も彼も良くも悪くも変化してしまった。立場、考え、心、国。人の思いをのせた濁流が行き着く先がなんであれ、元に戻るなどということはなく新たな変化が生まれるのだろう『正しいことに力を使うのですよ……少なくとも、自分が正しいと信じられることにです。正しいことがわからなければ考えなさい。』自分がよく若い者たちに口にしていた言葉を人知れず己へと向けていた。]