― 凍柊の領域 ―[そして、氷華は少女を抱えたまま、己が領域へ踏み込んだ。 地は霜柱に覆われ、樹木の代わりに樹氷が林立する、生あるものの気配などない空間。 遠くへ視線を移せば、常緑の柊の色が、微かに捉えられはするかもしれないが][先に匂わせた通り、その空間は氷点下。 人の息はたちまち凍り舞い落ちる、そのような場であった*]