[故に、耳に届いた“同胞”の声にはチラと黄金の視線をくれた。>>25 自身にとっては王の統治を拡げる侵攻戦であるが、彼にとっては居場所を守るための防衛線なのだろう。 ――― 王を是とする魔獣が、その統治を受け入れた者を軽んじることはない。それが魔族であれ、ヒトであれ。 自らが傅く王の資質を翳らせることなくば、等しく獣にとって同胞であった。] 早々の決着を望むのならば、出し惜しみをせぬことだ。イース。 魔王様の手を煩わせるなど、不敬に過ぎる。