[ チリン][ごく当たり前に扉を開くように、兵器の下方を押し開いて、人間がひとり外へ出てくる。滑らかで、威厳さえある歩容で男が歩き始めれば、場違いなほど澄んだ金属質の音色と、禍々しい死の香りが周囲に漂った] …ではいこう、俺の兵達。 魔王カナン・ディ=ラーグは、「全滅させてもいい」と[兵器の直下、待機していたコボルトの群れの喚声。低級な亜人たちを見渡す男の眼差しはごく自然で人間らしい色に煌めいた]