ありがとうございます、では行ってきます。
[厨房のカウンター。女が一人。
すっかり顔なじみとなったコックに頭を下げる。彼から受け取ったトレイにはスープとサラダ、そして焼きたてのパンとそれに付ける為のバターが載っている。
加えて搾りたてのミルクをコップに注ぎ、此処に来る前草原から摘んで来た可愛らしい花を一厘隅に置く。
捕虜用の質素な食事に、桃色の花弁が彩りを添えられた。]
これが終わったら洗濯を…、…ああ、シグルドさま。
[スープが零れないよう慎重に、冷めないよう迅速に。檻へ向かう。]
[その途中、銀と白が真冬に舞う雪を連想させる天使と行き会う。>>10
ごきげんよう、と挨拶をする間もなく、不思議な問いを投げられた。>>11
立ち止まり、視線を足下に落とす。]