人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


変わり者 アレクシス

 ――くぁ。

[その店主――アレクシス・フォン・ベルンシュタインは、窓際で開いていた本を閉じ、何とも間抜けな声と共に大きな欠伸を零した。
木製の安楽椅子が小さな悲鳴をあげる。
それを気にした様子もなく立ち上がると、本棚へと書物を仕舞い、ゆっくりと伸びをした。
ばきぼきと骨を鳴らす姿からは、古くから続く家の威厳など欠片も見えない。]

 散歩にでも行きますか。

[欠伸のせいで滲んだ涙を拭い、眼鏡の蔓を押し上げると、革靴の音を響かせて部屋を後にした。]

(32) 2014/02/16(Sun) 22:14:20

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