― 廊下 ―[ともかく早くこの血を洗い流してしまいたい。その一心で廊下を駆けたが、ほどなく足が緩んだ。自分が、城のどのあたりにいるのかわからない。獣化して移動していた最中の記憶がおぼろげで、とても、位置関係まで把握できなかった。できたとしても、この城では無意味だったかもしれないが。]