[ 悠然と言葉を交わしながらも、円を巡る動きは徐々に早くなる。同じ軌道を踏んでいるようでいて、距離は削られていった。緊迫感が募る。──と、水面を渡る風がかすかなどよめきを運んできたのと同時に、二人の周囲に矢がパラパラと突き立った。何事かと、周囲の兵らが人垣を乱す。北から、王国船が近づいてきていた。*]