[その後、カレルが去ってからはひとり物思いに耽っていた。]
(君は「人間」を護るために起ったのかもしれない。
けれど僕は「人間を護る為に起った君」を支えるため、ここにいる。)
[汚れ役を引き受けてでも、というのは僕の決意。
それを理解してもらおうとは思わない。]
……それにしても、「お前自身を含めて」ときたか。
["駒"というのは自分自身とて例外ではないと考えていた。
無論、カレルただひとりを除いて。
もしも仮に、僕の存在がカレルの足手まといになることがあったなら、きっと僕は迷うことなく自らの命を断つだろう。
そう、思っていたのだけれど。]
――ああ、そうだった。
そんな君だからこそ、僕はついて行くことに決めたんだったな。
[なにか納得したように、不思議な笑みを浮かべるのだった。]