[万全の状態であれば頭から両断していただろう刃は、右手の上に落ちる。躱しはしなかった。反応するだけの力が残っていなかったこともあり、必要を感じなかったこともあり。] それで終わりか?[鎌の先端を見、ロー・シェンの顔を見やって問う。手を引けば、ず、と"目"ごと裂けた。] 殺し損ねたな。[愉快げに笑うその耳に、「召喚者」の声が届いている。あの声を無視するような人間では無かろう、という信頼めいたものがあった。]