[暫くすれば涙も止まり、目の淵を赤くしたままではあるが、いつものように笑う。]
なんでソマリが謝るのよ。
悪いのは私でしょう?
でもね、もし、……もし"万が一"があったなら
そのときは"お願い"してもいいかなぁ……。
[幾度となく繰り返されるごめんねには、そう言って。
「私も、万が一ソマリに何かあったらお願いされるからさ」、と回りくどい言い方をしてみたけれど、彼には伝わっただろうか。
――万が一ではなく、万が万、人狼であったのだけれど。
――是ほど最適な生贄の羊は存在しないなどど、彼とは"別"のところで思われているとは知らずに。>>13</font>
丁度そのときだろうか。
お勤めご苦労さんでーす、なんて気の抜けるような調子で男性が声を掛けてきたのは。>>2:371]