─ 渇きの渓流 ─
良かった。
礼を言わねばと思っていたのです。
この場の金気御することが出来ましたは、貴女のお陰です。
それと…先の平原、蜃を拘束して下さったのも。ありがとうございました。
[彼女が作り上げた土山と、蜃を縛していた盛土からは同じ土気を感じる故に。
先に失念していた分も併せて礼を述べて、頭を下げる。
それから、離れ際。少しだけ思案した後に彼女を見遣り]
天帝にお仕えする末席の身で差出がましい口、失礼かとは思いますが。
この討伐は、天の理正すが目的であって、異なるを除するものには御座いません。
乱れを望まぬ、その為に揮う力は何であれ尊いものに御座いましょう。
[彼女が何を思うか知らず、感謝湛えた笑みを向けて再度頭を垂れた後にその場を辞した]