― 白い森 ―
[宿屋から外に出ると、オットーと共に雪を踏みしめ、ゲルトを探す。予想よりも近く、建物の裏手の少しだけ開けた場所でゲルトだった存在を見つけた。]
嗚呼、そうだな。
[戦場で無残な姿となった仲間を数多く見ているため、オットーの言葉>>26にも特に動じることなく答えると、ゲルトの隣にひざまずいてじっくり観察を始めた。
何かに襲われて食われたあとが残る体。かつて自分は、これと同じ痕を見たことがあった。]
……間違いない。ゲルトは人狼に襲われたんだ。
[ゲルトの遺体を漠然と見つめたままのオットー>>29に向かって、まるで宣言するように己の見解を述べながら立ち上がった。
オットーは自分と違って遺体を見慣れていないだろうから、ショックが大きすぎて、今は逆に感情が出てこないのだろうかと想像している。]