[平穏無事に風に揺れ続けるその花めがけるように、ひらりひらりと枯葉――ではなく、それに似た色の蝶が舞う。見たことのない蝶だ。あれも、宝石でできた花のような不可思議な存在なのだろうか。あるいは自分が無知なだけか。ともあれ停まって蝶を調べることはしない。やがて花も蝶も視界から遠ざかっていった**]