[我が身は夜の翳りより生まれ、魔の王に侍る宿命を持つ。 仮初に人の形をとるが本質は獣であり、魔族と評されるよりは魔物と呼ばれる種に近い。無論、同胞の中でも野生動物に近い下位種とは格が違うが、一族は皆、永く魔の王の目覚めを待ちわびてきた。 王の再臨は自身の悲願であり、本能への回帰であった。 その御方が歩む覇道、微に入り細を穿って尽くしてきた大業。 希望の光に溢るる選ばれし者らとは言え、邪魔だてされる訳にはいかなかった。]