[かつて、この場所で出会った強烈なオーラの持ち主。めくるめくままに、「あなたが神ですか?」と問えば、莞爾と笑った。その指先。零れる香り。軽やかな翼のたなびき。やがて、追いかけてきた養育係の天使は、ひとりきりの冒険をした幼子を叱ったけれど、短い逢瀬の相手について聞き、「それはナサニエル様でしょう」と教えてくれた。「巡察の主任をなさっておられる優れた御方です。あなたもしっかり学んで、あのような立派な天使になるのですよ」]