[異形の塔が金色の光に透ける。魔王の座す椅子へ、つたう意志の発露。ツィーア、と響いた音はひとつの「呪文」となされた。魔神がつくり我が王にみがかれた巨大な呪具が不穏な脈動を刻み、複雑な魔導の機構がめぐり始めれば] ……、[やがて死の香り濃い煙が、夜空へ細くたなびいた。機嫌よく喉を鳴らすかのように低く振動する駆動音]