ふむふむ 我らが同朋の冒険譚であるか?
[…は前足で器用にページをめくっている]
くくく。流石は我が一族の勇者よ。「わに」どもの背を以って大海を渡るとは何とも小気味良いでは無いか。これぞ神の与え賜うた知略であるぞ!…しかし「わに」とはなんじゃ?
[…は更にページをめくる]
…なんとっ!同朋の皮が剥がれているではないか!
おお…なんとむごい。この「わに」とかいうやつがらに父なる神の天罰を!
[…は眉間に皺を寄せている]
むむっ ほほう。この「オオクニヌシ」とかいう二本足の者、よく礼儀を弁えておるでは無いか。その働き大義である。勲一等にんじん勲章を授けよう!
[…は満足そうに鼻をひくひくさせた]
ヒンメルよ。中々に興味深い英雄譚であった。褒めてつかわす。余をもふもふする栄誉を授けよう。存分にもふるが良い。
ところでそなたはこの「がまのほ」という霊薬を持っておらぬのか…?
[…は小首をかしげた]