初めまして、エルナ。
僕はニコラス。ニコラス・エルメルト。
春になれば巡礼の旅に出て、冬になれば戻るという生活だから、外套の補修は春までに終わればいいよ。これから冬も厳しくなるし、村の人たちの針仕事があったらそっちを優先して。
……ね。
どこから来たのか、聞いていいかな。
[相手が自分に興味を持っていることなど気づかず、興味を持って話題を振る。
エルナがお茶の用意を始める様子を>>26、ただ黙って見つめる。しかしその表情は、どこか穏やかで。
出されたお茶を飲む時間も惜しむように、話に花を咲かせていた。
――そうして店を出る時。
思い出したように慌てて口に含んだお茶は、すっかり温くなっていた*]