[ そして。
血を拭おうとハンカチを取り出したそのときに。
飛び出たネームプレート。>>4:86>>4:89
─── 警備部:ミーネ・クレミニオウス
思わず拾い上げて……、そのまま 置いた。
床に広がった血だまりの上、名前の面を下にして。
遺体のすぐそばに残るネームプレート。
それは、犯人だという "証拠" になってしまうのだろうか。
けれど、血に塗れた指紋が一つ。
落としたことに、気づいた癖に、拾わない。
べたりと付いた血で隠れてしまう、だろうと思った。
血が乾きだしていることに、気付いてなどいなかったから。 ]