[唐突な上に大雑把な要請は、向けられた彼女に何を思わせたか。
そこまで確かめる余裕はなく──護り手が見据えるのは、前。
望んだ風の援護が得られたなら、朱翼は躊躇う事無く、羽ばたいて]
……天上宮の空に。
いつまでも、影を置いておくわけには、いかんっ……!
[この地から見る空は、幼い頃にずっと追っていたもの。
それを、穢させるわけにはいかない──そんな思いも込めながら]
做朱紅的火炎華,混亂!
[解き放つのは、朱の焔華。
それは場にある気の流れを取り込む事で先よりも色鮮やかに花開き、酸與を包み込む。
花弁開くに僅かに遅れ、そこへと達した護り手は、手にした大太刀を下から上へと大きく巡らせつつ、大上段に振り被り]