― 舞踏場近辺・ビル屋上 ―[飛来するものの気配>>28に気づいたのは、双方ほぼ同時。銀の娘は、鴉が転じた姿と、己が主の間に立ちはだかるようにその位置を変える]「……良い、ユーリエ。下がれ」……ですが。「案ずる事はない。 ソレは、ただの『影』だ」[言い募る娘に、銀灰色の翼の少年──『熾天使』は短く言い放った後、氷の瞳を上がる口の端へと向けて]「……確か、アルトゥルの気に入りのひとつ、だったか」[確かめるような口調でそう、呟いた。*]