「いかな風光明媚な地であっても、 人々の健康を害し苦痛を加え生産に悪影響を及ぼす疾病があれば 土地の大なる発展は期待し得ない」[的を射た序文に案外こういった雑誌の方が真実をつくのだなと感想を落とし。今日で終わると淡い希望を抱きながら。見えない海、南の壁を見上げる。纏めた鞄を背に琴平を出ようとしたところで物々しい音が聞こえ、乱暴な音を立てて扉を開く。]