―2日目・AM9:30・第五訓練場―
[これで熱が冷めるだろうとホッとしたのもつかの間、唇に慣れない感触>>29が触れていた。
いったい何が触れているのか理解できず、目を見開き固まっていれば相手の言葉にさらに驚いた。
彼の言葉を考えれば今触れられてる感触は…
顔が真っ赤になっていることが嫌でも分かった。
違う、こんな筈では、これは違う!と何度も己の中で叫ぶも、根底に潜む甘ったるい何か弾け続けている。
ああダメ…そんなの認めない、認めてたまるものか。
これ彼の気まぐれなんだ。どうせ飽きてしまえば野良猫の様にどこかへ行ってしまう。
なのに、なのに。
唇は求めるかのようにゆっくりと開いていた。]