[そんな、皮肉を込めた餞けをしてから外に出たならば。
何処へ寄る訳でもなく歩いて、屋根の上に視線を彷徨わせていく。
彼へ向けた鳩が、きちんと文書を持たぬ姿で休んでいるのを見付けたのは、少ししてからだ。>>2:242
親指と中指で輪を作るようにして咥えれば、吹いた息は音と変わる。]
……、扨、ベルフィを探すか。
[そう呟いてから少しもしない内に、白雪はやや御機嫌にこ見える様子で帰ってきたのだったが。
その脚に引っかけられている金の紐に、俺は嫌な予感を思ってため息を吐いた。>>2:213]
おい、辞めてくれよベルフィ…、
[「嫌な事とは立て続けに起こるもの」、
…先人もそう説いたらしいが、受けたくないのは仕方もないだろう。]