[だからその顔に猛禽のような笑みが浮かんだ時>>27――無論恐ろしくはあったけれど――むしろ救われたような気にさえなったのだ]
当たり前だ!
このまま帰ることなんて望んでいない――
[帰らない、とは言わなかった。
虚勢だとわかっていても]
フェリクス、お前の首を獲って帰るんだ――!
[それでも、勝つために戦いを挑むのだと、そう宣するのがぎりぎりの矜持だった。
雄叫びと共に一歩を踏み込み、槍の穂先をかち上げる。
周囲の精鋭兵はフェリクスに手出しはしなかったが、他の敵兵が動くならばそれを抑えに回った*]