あれは……
[それが『融合体』の一人、「彷徨える貴人」と呼ばれる者とはすぐに気付いた。
こちらの侵入を阻むためにそこにあるのかは解らなかった、けれどそのままにしておくわけにはいかない。
後続のために少しでもこちらに引き付けて置きたかった]
上手く行ってくれ、よっと!
[足元にあった石を蹴り上げると、念で勢いをつけて「彷徨える貴人」に向けて飛ばす。間近を掠めるようにはしたが、果たして上手くこちらに意識は向けられただろうか。
こちらに気付いたなら、挑発するかに笑って『舞踏場』を覆う繭を切りつけてみせる。
上手く切り付けられるか、それともそうしなくても入れるかもしれないが、入り口を確保したなら中へと踏み込んでしまおうと*]