[ざ、と音を立てて地を蹴り、距離を詰める。左は真白、右は漆黒。対照的な刃を持つ双剣が、幽鬼の馬の脚へ向けて相次いで振り抜かれる、ものの]……って!浅い……いや、薄いのか、これっ!?[手応えらしきものはなく、幽鬼はそのまま数歩駆け、くるり、身を返してこちらを見た]あー……面倒だな、これ。[今、何が起きたのかは感覚として伝わっていた。どうやらこの幽鬼、見た目ほど存在が強固ではないらしい。それは祓い易い反面、そのための手段を当てるのが一苦労、という側面も持つ]