[さて眼前の男はどうするのだろう――と見ればもう歩き出している。先程の言葉を思い出して一歩を踏み出すのに躊躇したが、(だって相変わらずわけわからないし)一人になってしまうことへの心細さが瞬間的に勝ったし、それに、男には訊きたいことがまだあった]……ねえ! そういえば、あなた、名前は?[男が止まってくれるとは限らない。そう考え、距離をとって追いかけながら背中に向けて問いかけた**]