― 回想・宴の発端 ―
[酒場でちびちびやっていると、奥のテーブルから大騒ぎか聞こえてくる。
声に聞き覚えがあったから、そちらを見もせずに席を立った。
一応は依頼主ということになるのか?
教会から派遣されてきたとかいう触れ込みの狩人連中だ。
装備はよさげなものを持っている(ので少々拝借した)けれど、やる気に欠けていて、なにより下品だ。
魔物狩人がみんなあんなだと思われたくない。
教会から受けた吸血鬼狩りの仕事をこちらに二束三文で下請けに出して、自分たちは遊んでいる連中だ。目の前に現れたら伸してやるだなんて威勢だけは良いけれど、実際はどうだか。
城主からも別口で依頼を受けていたから、依頼料二重取りだけれども、別に連中に明かす必要はない。
せいぜい教会の金で飲んでいればいいさ。]