[そして玉座の傍にはもう一つ、魔の者とは異なる気配があった>>25。
黒い肌を持ち魔の血を引くが、操る精霊の力は真なるエルフのもの。
とはいえ彼の者が魔王領を安住の地として選んだなら、魔王は領民として快く受け入れた]
当然であるな。
[発せられた呟き>>28に、魔王は悠然とした声で答えた]
此度の勇者を名乗る者らは、如何なる力を持つものか――自らの手により量る機が訪れたのだ。
楽しまずしてなんとする。
[その口調から、敗北を、どころか苦戦すらも予測していないことは伝わろうか]
案ずるな。長くはかかるまいて。
[早く全てを終わらせ安寧を得たいというイースの意を汲むように、そう付け加えた*]