[向かう先は商業エリア。
道すがら、セーラー帽を被った兎の姿を見かけた。>>12
コンパニオン・ガイドシステム>>4 と聞かされたホログラムの毛玉がどういった代物なのか、どこかで説明を聞いたかもしれないが、理解してはいない。
体感式ホログラフは、ヒト型であっても、複雑な会話となると途端にヒトらしさを失う。
システムというからには、こいつはより上等な作りをしているのだろうか?
まあ、見れば見るほど、兎だ。
この調子なら、周りの景色にホロ何とかや映像が混ざりこんでいたとしても、分からないだろう。
――目に映るものがどこまで夢で、どこまで現実か。
お定まりの禅問答は、程々で切り上げる。
不都合がなければ、恩恵を授かる者には大差ない。
ただ、存分に享受し、楽しむだけだ。]